デザインの模倣

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 デザインの模倣というと様々な分野で枚挙に暇がないほどありますが、最近ではラバーのデザインも模倣の対象となっていて、欧州のフェティッシュファッション系デザイナーがTwitterなどで現状への不満をよくこぼしています。
 
 確かに見た目はそっくりなものが、オークションサイトはじめショップでもチラホラみかけられ、圧倒的に安い価格で売られていることが殆どのようです。
 価格面でいけばデザイナーブランドと比べて半額以下と段違いに安いこともあり、手を伸ばしてしまいそうになるのですが、正直なところオススメできません。
 生地、縫製(ラバーの場合は貼り付けになりますが)、ジッパー、何れをとっても一部を除き褒められるようなものではないからです。
 
 例えばラバー生地ですと、Radical Rubber社や4D Rubber社がファッション用ラバー生地の供給元として有名ですが、多くの場合これらの会社のものを使っていません。使用されている生地には、その生地厚にムラがあったり、ヨレがあったりするものまであります。また生地そのものに何らかの添加物が混入されているためか、前述の生地に比べ明らかに劣化が早いものまであります。
 
 次に貼り付けですが、その貼り付けが甘かったりするのは勿論のこと、ゴム糊が関係ないところに張り付いていたりすることもあります。
 
 最後にジッパー。これがかなり大きな問題で、ジッパーの金具(閉めたり開けたりする部分)に耐久性がなかったり品質が粗悪なために、ジッパーそのものが壊れてしまい用をなさなくなったりすることさえあります。
 
 そういう安いのを買ってしまうと、悪貨は良貨を駆逐すると言われるように本家本元が窮地に立たされ、いずれ消え去ってしまうであろうという可能性を考えると、安い模倣品ではなく高くても本家本元で買ってあげるべきだと考えます。
 一度や二度着るだけで破れても構わない、多少の不便があっても安いほうがいい、というのでしたらオススメできますが、もし少しでも疑問に思うところがあれば、倍またはそれ以上だしても欧州製の名のあるメーカーのものを買われることをオススメします。ファッションというオリジナリティーを守るために
 
2010/11/15加筆
フェイク商品のページがありました。
http://knockoffknockdown.tumblr.com/
 

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ラバー(ラテックス)ってなに?

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Radical Rubber sheet この冬(2009〜2010年の冬)にラバーレギンスが流行したお陰で、ラバーという単語をよく目にしましたが、幸か不幸かあのレギンスのほとんどがラバーではありませんでした。
 
 ではラバーて何?
 
 ラバーは、直訳すればゴムということになりますが、タイヤなどに使われる合成ゴムではなく、ゴムの木から採取される天然ゴム、いわゆる生ゴムとなります。
 
Wikipediaのラテックスの項目
 
 フェティッシュファッション用の素材として使われる代表的なものとして、
 ラバー(ラテックス)
 PVC(エナメル)
 PU(ポリウレタン)・・・フェイクレザーの多くがこれに当たります。
 プラスティック・・・透明なレインコートなどに使われています。
 レザー
 ファー・・・毛皮やフェイクファーがこれに当たります。
 ファブリック・・・いわゆる”布”です。
 合成ゴム
 メタル・・・金属です。サイバー系ファッションに使われていたりします。
 などが挙げられます。これらは、見た目で殆どが区別でき、その光り方(艶)や素材感、伸縮度、密着度などによりデザイナーが使い分けたりしています。

 では「ラバーレギンス」とはなんだったのかというと、その多くがPVCやPUでした。同時に日本国内で「ラバー」と称されているものの中に、PVCやPUが混じっていることがありますが、それは素材への誤解から来ている場合が殆どです。

 ラバーは、その独特の光り方や素材感から多くのファンを持っています。

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