モードとフェティッシュファッション

所要時間: 5
John Galliano Fall 2011 Ready-to-Wear 昨年あたりから、著名なファッションデザイナーでもフェティッシュファッションのテイストを加えたコレクションが多く発表されるようになってきました。
 
 出来る限りFetish-Style.infoでもとりあげてきましたが、こちらをみていただくとおわかりいただけるように、従来のファッションへのアクセント代わりとして使われている場合もありますが、フェティッシュファッションをそのままモード、ハイファッションの世界へと持ち込んだと思われる例が多いことがおわかりいただけるかと思います。
 
 フェティッシュファッションというと、その独特の素材やスタイルというのが特徴に挙げられ、英語版Wikipediafetish fashionの項目にも次のように記述されています。(残念ながら日本語版Wikiには、まだその項目がありません・・・)

Fetish fashion is any style or appearance in the form of a type of clothing or accessory, created to be extreme or provocative. These styles are not usually worn by the majority of people on any regular basis….


(抄訳)フェティッシュファッションとは、極端もしくは(性的な)挑発を意図して製作された、ある種の衣服またはアクセサリーを使用したファッションスタイル、またはその外観のことをいう。このファッションスタイルは、常時一般的に着用されるものではない。…

Black Latex Catsuit なるほど、まさにその通りといった定義付けですね。確かに、ほんの15年20年前までは、ラバーやPVCといえば、赤や黒、そして白といった非常にベーシックなものしかほとんど見かけられなかったですし、そのことから考えれば、様々なシチュエーションに合わせてカラーリングやコーディネートを考えたりすることが難しかったといっても過言ではないでしょう。
 
 実際、80年代終わりから90年代前半にかけて流行したボンデージファッションでは、多くがその語のもつイメージとも相まって黒が基調とされていましたが、ここ最近のものでは基調となるカラーとして黒や赤は見られるものの、非常にカラフルなものが散見されるようになりました。

 これは「極端もしくは(性的な)挑発」のいずれかを余り意図していないことにもつながり、ハイファッションとフェティッシュファッションとの間に存在していた大きな違いを打ち消しているものと考えられます。とはいえ、その双方を消すことはせず、適度にそのテイストを残しつつハイファッションへと持ち込んでいるところをみると、新たな分野を開拓しようとしているようにも見えます。
 
 不思議なことに、著名なファッションデザイナーのフェティッシュファッションへの歩み寄りと同時に、フェティッシュファッション界のデザイナーのハイファッションへの進出という現象もみられ、昨年から始まったと思われるこの傾向が今年、そして来年へとさらに大きな動きになるのではないかと思われます。もしかすると、後年になって2010年代に新しい分野が生まれたとされるのかもしれません。
 
 これまで同様にこれからもFetish-Stye.infoではフェティッシュファッションに関わる情報をお伝えしていきますが、ハイファッションでのフェティッシュファッションへの動きも追っていきます。ぜひこれからもご覧ください。よろしくお願いします。

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フェイク商品による危機

所要時間: 6
Real vs Fake
コピー商品の一例
左:Venus PrototypeとMother of Londonによるコスチューム
右:中国製のコピー商品
from The Fetishistas
 以前にフェイク(偽造)商品について書いてから時間が経過しましたが、状況は変わらないどころか、悪い方向に動きつつあります。
 
 これまでと同じく販売時の写真盗用やデザインの盗用だけでなく、ブランド名の詐称やラバーファッションの場合ですと使用される生地のフェイクまで出て来るようになりました。ファッション用ラバー生地は、Radical Rubber社4D Rubber社Sheet Latex社がその多くを占めているのですが、その社名ブランド名を騙り、デザインの盗用だけでなく粗悪な品質の生地で作られた物が出回るようになってきました。
 
 こちらのコラムで触れたように他のファッション用生地とは異なる生地の為、素材そのものの匂い(香り)も明らかにことなり、粗悪なものはタイヤのような明らかにケミカルな添加物を意識させるものまであります。筆者は直接経験はしていないものの、何らかのアレルギー反応など健康被害すらも考えられる状況となっています。勿論、縫製などにも問題があり、まさに品質劣化コピーと断ぜざるを得ない商品が出回っているのです。

 このフェイクを助長しているのがドロップシッピングやオークションであると考えられています。ドロップシッピングは販売者と製造者(また発送元)が異なる点が問題で、故意であるかどうかは別として、そのフェイクを販売する業者が簡単に増えてしまうという難しい問題があり、さらにオークションはこれに加え販売者が企業ではなく個人であることも多く、いわゆる「売り逃げ」が可能である点も問題となります。

 フェイクが製造されているのは、そのほぼ全てが中国であるとされており、自動車や電子機器などのフェイク問題と同じ構造となっていますが、前述したドロップシッピングやオークションでその多くが現在のところ販売の中心であること、そして市場規模が異なっています。確かに市場規模としては自動車などと比べるべくもないほど小さい市場でしょう。ですが、その小さな市場にすら、このようなフェイクが生まれ、そして販売されてしまうことに非常な危機感を覚えます。

 ファッションデザイナーがこの危機に対し座して静観しているかというとそうでもなく、Libidexがフェイク商品への注意喚起を促したり、フェイク業者を名指しした上で不買するように消費者に求める運動を始めています。またeBayでは、画像登用によるフェイク販売者を追放したり、商品の削除を迅速に行うようになったりと、徐々にフェイクを販売させない方向に動き出してきました。

 では日本ではどうかというと、某巨大オークションサイトでは明らかにフェイクの商品が堂々と販売されており、またフェイク商品を販売しようとしている独立したショップサイトすらも見られます。現在日本ではフェティッシュファッション、特にラバーファッションを扱うショップが非常に数少ないという現状もあり、フェイク商品が蔓延する素地が整ってしまっているように思われます。

 安く、パッと見だけで良いように見えても、健康被害を受ける可能性があり、さらにはそのオリジナルデザインを考案したデザイナーやブランドも苦しめるだけのフェイク商品。それとは知らずに買ってしまうこともあるかもしれません。それを避けるために、これからもフェイク商品動向についてはFetish-Style.infoでは触れていく予定ですので、ご覧いただければ幸いです。

 最後にフェイク商品についての記事をご紹介します。全て英語となっていますが、一読の価値ありです。

Latex copycats: time these pirates walked the plank (The Fetishintas)
http://knockoffknockdown.tumblr.com/

2011/04/20追記 こちらで指摘されていたフェイク商品販売サイトが閉鎖されたようです

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Update Notice!

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FetishColumnに1記事をアップ!
 ラバーファッションの未来

Facebookにファンページを開設しました。

上位5位までの人気の記事をPopular Postに表示するようにしました。

過去の記事からランダムに記事内の画像を表示するRandom Imageを設置しました。

iPad端末に正式に対応しましたが、Androidを搭載したタブレットタイプには現在のところAndroid携帯と同じページが表示されます。予めご了承ください。

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ラバーファッションの未来

所要時間: 4
Glyde-TEX logo
SilkyLatex1  昨年10月にこちらを書いてからまだ3ヶ月しか経っていませんが、大きな動きが様々ありました。これまではこちらでも触れたように、
紫外線や酸素との接触により、変質することがある
またこちらで触れているように、着用時にもいくつかの制約がありました。
 
 ところが、この制約が遅くとも数年以内に完全に解消されるかもしれません。少なくとも、現時点でも解消することが可能になっていますが、まだほんの一部に限られ、全体へ広がる大きな動きにはなっていないからです。
 
 ほぼ毎日更新している情報の中にある、Demaskが発表したSilky Latex、Kim Westが発表したGlyde-TEX(旧名Glyde-On Latex)は、着用時にドレッシングエイドやタルカムパウダーが必要ない独自に加工されたラバー生地で、Silky Latexのページにある動画をみていただくとわかると思いますが、非常にスムーズに着用が可能となっています。

Fade Stop Logo  また、同じくKim Westが発表したFade Stopは、生地そのものに加工がされているものではなく、トリートメント剤として発売されるもので、これをつけることで酸素(オゾン)や紫外線による劣化・色褪せを予防することが可能とされています。

Jac Langheim  Silky LatexにしろGlyde-TEXにしろ、着脱の容易さだけでなく、これまでは着用時の表面摩擦による抵抗感の高さから他の素材との重ね着が難しかった点が克服。さらにGlyde-TEXではアナウンスされていませんが、Silky Latexではラテックスアレルギーの方も着用が可能とアナウンスされていることを考えると、フェティッシュファッション以外では一部のハイファッションにのみ見られたラバーが、Jac Langheim S/S 2011 Collectionなどにみられるように、より広範に用いられる可能性が高まったとみて間違いないでしょう。
 同時に劣化・色褪せといったラバーに特有の大きな問題も克服されつつある現状も合わせて考えると、必ずや近い将来に普及に大きく前進するとみて間違いありません。もちろん、ラバー生地そのものが劣化・色褪せを予防するようになれば、それがベストであることには変わりありませんが・・・。
 
 10年前、精緻なプリントがなされたラバーファッションが登場すると誰が考えたでしょう。ラテックスアレルギーでも着用可能なラバーが登場すると誰が想像したでしょう。数年後、いや1年後、どのように変わっているのか?期待を持って見守りたいと思います。
 

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メンズシューズ、ブーツ

所要時間: 3
 レディースの靴やブーツは沢山選択肢がありますが、メンズって殆どみかけられません。特にラバーなどのフェティシュファッションにあうものを探すのに、本当に苦労したりします・・・。
 デザインとかもかなり幅が狭く、なかなか良いのに出会えないのが難点で、また汗をかいてしまうラバーファッションですと、とくに汗かきの方ですと汗対策を行わないと革のシューズやブーツが傷んでしまうことにもつながりあまりお勧めできないのが現状です。
 
 となると、合皮素材やラバーなど汗に強い素材で探すこととなりますが、国内で探すのが非常に難しくなります。
 国内で購入できる定番としては、AIGLEなどのラバーなどで作られた乗馬ブーツや一部のレインブーツなどになってしまいますが、やはりデザインの問題がついてまわります。
 海外のフェティシュファッションにあう靴の定番といえば、英国のPennangalan。
http://www.pennangalan.co.uk/
 Pennangalanはレザー、合皮、ラバーと様々な素材で作られたシューズ、ブーツがあり、男性向けも豊富。
 また以前は米国Pleaserでラバーのブーツを出していたんですが、どうやら廃盤になってしまい一部しか残っていないよう。ラバー以外の素材のものはこちらにも色々と掲載されています。
http://www.pleaserusa.com/
 
 国内でレディース用で良いデザインがあったとしてもサイズが小さいなどの問題がありますが、海外ですとそういった問題もあまりなく色々と選べ、さらに円高の恩恵もあるのがありがたいですね。
 

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Update Notice!

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FetishColumnsに2記事をアップ!
 イベント、パーティーのススメ
 ラバーの生地

HowToに3記事をアップ!
 海外へオーダーする前に
 海外へのオーダー 前編
 海外へのオーダー 後編

Beauty/Fashionに1記事をアップ!
 UK発・アイラッシュブランド アイルアー が日本初上陸。

また、全ページの外部リンクにSnapShot機能を追加。また、個別記事にリツイートボタンも追加し気になる記事をツイート出来るようになりました。

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ラバーの生地

所要時間: 3

 どうしてもラバーの生地というと黒とか赤などの不透明でベーシックな色を想像しますが、これのみならず透明スモークや透明ブルーなどの透明系、ビビッドなバブルガムピンクなどの明るい色もでてきていて、様々な組み合わせが考えられるようになりました。
 そんなことから絞り染めなどの一部の特殊な染め加工がなされた布以外のものは、ほぼラバーでも実現できるようになってきたようです。
 勿論、これまでもAtsuko Kudoに見られるようなラバー生地の上にラバーで模様をプリントするというのはありましたが、グラデーションを伴った生地というものは全く見られませんでした。

 ところが。

 ドイツのデザインハウスBodyCultが絞り染めのような模様が入った生地を使ったコレクション(上写真左)を発表していて、目から鱗が落ちました。単色を組み合わせてというだけでなく、生地そのものにこのようなグラデーションが可能になったことで、よりデザイン的に幅が広がったように思います。

 これだけかと思ったら、さらにこれまでの常識を覆す生地がありました。  ラバー生地というと、表面がツルッとした凹凸がないものばかりでしたが、こちらにあるように凹凸+染めの生地も登場してきました。 (下写真)
 上写真右は、その凹凸のある生地を使ったロシアのRubearが発表した”Frog Queen”。(カエルは爬虫類ではありませんが)うまく特徴を捉えています。



 これらの生地を使ったコレクションは二つのデザインハウスが発表したものですのでまだまだ他のデザイナーには広まってはいませんが、これから様々なデザインのものが多く発表されると期待してたりします。

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イベント、パーティーのススメ

所要時間: 2
 数々のデザイナーによるオート・クチュール、普段の生活に着ますか?着ませんよね。そうです、パーティーなどでより目立ち、より楽しむために着ますよね。
 フェティッシュファッションも同じく、そのファッションを楽しむためのイベント、パーティーが存在します。
 
 前日前々日あたりから何を着ていくか、どうコーディネートするか考えてるのも楽しいですし、当日はいつもよりもメイクもキメて、小物にも気をつけて。
 パーティーでは、他の方のコスチュームを見て次回の参考にしてみたり、それをきっかけに色々な話で盛り上がれたり。勿論、他の方から声をかけられたりも。そしてまた次回のコスチュームを考えつつ、その日を待ってみたり。
 その場だけの楽しみだけでなく、次回へ向けてもまた色々な楽しみがあるのもまたパーティーの良いところ。
 
 とかくSMとつなげて考えられてしまうフェティッシュファッションですが、裸にボディーハーネスやコルセットにピンヒールロングブーツだけでなく、様々なコーディネートが存在しますし、逆にタブーも存在しないのが良いところ。新調したコスチュームだけでなく、色々なコーディネートを楽しんで、遊んでみてはいかがでしょう?きっと何か新しい発見があること請け合いです。
 

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